「女性がイキイキと活躍できる社会を」株式会社サムライウーマン代表 高原友美さん
株式会社サムライウーマン代表として、ご自身も3歳のお子さんの子育てをしながら「まちのてらこや保育園」を経営する高原友美さんにお話を伺いました。
高原友美さんプロフィール
出身地:岡山県倉敷市
活動地域:東京都中央区
経歴:1984年生まれ。お茶の水女子大学卒業。2007年4月より7年間、三井物産株式会社に勤務。金属資源の輸出入、ブラジルでの金属資源開発案件などを担当。2014年に退職し、株式会社サムライウーマンを設立。2015年9月より東京日本橋にて「まちのてらこや保育園」を開園。
現在の職業及び活動:株式会社サムライウーマンの代表を務める傍ら「まちのてらこや保育園」の理事長として日々奔走中
記者 よろしくお願いします。
高原友美さん(以下、高原) よろしくお願いします。
女性がイキイキと活躍できる社会をつくりたい
Q:どのような夢やビジョンをお持ちですか?
高原 女性がイキイキと活躍できる社会をつくりたい!と「株式会社サムライウーマン」を立ち上げ、主な事業として「まちのてらこや保育園」を経営しています。
「サムライウーマン」とは社会という戦場で日々戦っている女性たちです。サムライウーマンを社会に増やしたいし、サムライウーマンを元気にしたい。その思いで名付けました。凛としたしなやかな強さを持つ女性。私自身もそうありたいと思っています。
「まちのてらこや保育園」の主役は、もちろん子どもたち。その保育サービスを通して働くお母さんを笑顔にできたらと思っています。社会の一番小さな単位は家庭なので、笑顔で満たされる家庭が増えることによって社会全体の笑顔を増やすことにつながると思うんです。開園前、働くお母さんに保育園や育児の悩みなどを徹底的にインタビューして、保育内容や付随サービスを決めていきました。
例えば手ぶら登園です。園の送り迎え時って自分の通勤の荷物もあるので結構な量になるんですよ。このため当園ではおむつは月額定額制で使い放題。1枚1枚にお名前を書かなくていいんです。お昼寝用のシーツや戸外あそび用の帽子も全て園で洗濯しています。
また当園では連絡帳アプリを使っているので、保護者の方とのやりとりもスマートフォンで行います。忙しい朝の時間はお子さんを保育園に預けてから、通勤電車の中で連絡帳を書いて提出することもできます。写真も添付できるので、保護者の方は保育園での様子をタイムリーに知ることができます。おじいさんおばさんとも連絡帳を共有できるので、遠方にお住まいでも子どもの成長を一緒に見守ることができるんです。園からのお知らせも全てPDFでアプリの中に入っています。「あれ、どこいったかな?」と探すこともなくなります。
持続的で安定的な事業に変えていく
Q:「女性がイキイキと活躍する社会をつくる」という夢を具現化するために、どのような目標や計画を立てていますか?
高原 まずは「まちのてらこや保育園」事業としてもっと持続的で安定的な形に変えていく必要があると思っています。開園から4年経ち、関わってくださっている方もどんどん増えています。在園児・卒園児とその保護者、保育士や保育補助の先生、地域の方も。保育園は働くご家庭にとって欠かせないインフラです。会社の理念である働く女性をしっかりサポートするためにも、事業をさらに安定させたいですね。
開園以来、保育の質を上げることと保育園のオペレーションの効率化に取り組んできました。その総仕上げとしてめぐってきたのが認可保育所への移行です。2020年4月より東京都中央区の認可保育所に仲間入りすることになりました。これまで認可外保育所として運営してきたので保育料も安くはなく、利用できる方も限られていました。認可保育所に移行することでさらに多くの人が利用できるようになるといいなと思っています。
お互いに助けあえる関係性をつくる
Q:現在どのような基本活動をしていますか?
高原 保育士たちのチームワークをさらに向上させることに取り組んでいます。
保育の現場は大変です。大切なお子さまの命をお預かりしているので、常に細心の注意を払いつつ、子どもたち一人ひとりの時間が充実するよう保育を行っていきます。全体を俯瞰しつつも、先生たちそれぞれが今どこにいて何をしているのか、自分は今どこに入るのが最適かを常に考えなくてはいけません。だからこそ、お互いに助けあえる関係性がとても大事です。あの先生今忙しそうだから私がこっちヘルプ入ろう!というように。
保育に対する考え方は十人十色。保育士それぞれ勤務してきた園も、経験も違うので、保育で大事にしていることやちょっとしたやり方も全然違うんですね。そんな保育士同士が力を合わせて保育に取り組めるようお互いのことを知る機会をたくさん設けるようにしています。
また、あらためて園の保育理念や保育計画をみんなで作る取り組みもしています。職員たちがどのような思いがあり何を大事にしているか、この保育園をどのような園にしたいかを一人一人聞いて、それを言葉に落とし込んでいるところです。
働く女性に寄り添いたい
Q:「女性がイキイキと活躍する社会をつくる」という夢を持ったきっかけは何ですか?そこにはどのような発見や出会いがありましたか?
高原 もともとアフリカなど発展途上国の貧困や紛争をなくす仕事をしたい!と国連職員を目指していました。大学では発展途上国の女性に対する教育格差や性的差別に関する勉強をしていたんです。勉強したり、実際に現場に行って様々な人の話を聞いたりするうちに、「援助」ではなく「ビジネス」で途上国と関わりたいと考えるようになりました。そこで総合商社に就職することに決めました。
商社の仕事は海外との仕事も多く、当時は仕事が深夜に及ぶこともしばしば。そんな中、私の周りで育児と仕事の両立に苦しんでいる先輩が多かったんですね。保育園不足で育休から復帰できない、なんとか入れたけどなかなか働くママに寄り添ってもらえないと辛い思いをしているお話もたくさん聞いて。これは未来の私の姿だ、と思いました。それなら、オフィスワークの経験がある私が働くママに寄り添った保育園を作ろう!!と思ったんです。
子どもたちの日々の笑顔があるから
Q:今日お話を伺って、高原さんの熱い使命感が伝わってきます。今まで続けてこられた理由や思いをお聞かせいただけますか?
高原 最初は「作りたい!」という思いだけでスタートしましたが、命をお預かりする保育の現場はそれだけじゃ続けられない。やはり子どもたちの日々の笑顔が大きなエネルギーになったと思います。また、保育園は働く家庭にとっての欠かせないインフラ。保育園を安定的に維持していく責任は大きいんです。子どもたち、保護者、従業員、地域の方。みんなにとって寄りかかれる場所にしたいという思いがあります。それを実現させることが、今まで関わってくださった方への恩返しになると思っています。
本当は3歳になる娘とゆっくり遊びたいな・・・と思うときもたくさんあります。娘と仕事どちらも大事なのでそれがすごく難しいですね。ママである私と経営者である私とをうまくバランスを取りながらやらなくてはいけない。私自身も悩みながら育児と仕事の両立を模索するママの一人です。同じように悩むママたちの力になれるよう日々頑張っています。
記者 高原さん自身がまさしくサムライウーマンですね。美しい思いに触れ本当に応援したくなりました。本日はどうもありがとうございました!
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高原友美さんに関する情報はこちら
まちのてらこや保育園
株式会社サムライウーマン
https://www.samuraiwoman.co.jp/
【編集後記】
インタビューを担当した稲垣、安田 です。熱い意思をもって事業を進められている高原さんの姿がとても美しかったです。高原さんの今後を心から応援しています!貴重な時間をありがとうございました。