「ここリカ・プロダクション」管理者・サービス管理責任者 橋本達志さん

ストレス社会と言われる現代において関係のない人がいないと言われるメンタルヘルスの領域。その予防から診断後のサポートにとどまらず、どうしたらできるのか?!の発想から、心からしたいことを経済活動にしていけるため、常に最新の情報を吸収しながら難しいとされていた障がい者メディア 事業所(就労継続支援支援B形)を立ち上げた、精神保健福祉士でもある橋本達志さんにお話を伺いました。

□橋本達志さんプロフィール
出身地:網走
活動地域:札幌市白石区を中心に北海道全域を視野に入れている
経歴:1990年国立十勝療養所
   1995年札幌デイケアセンター(こころのリカバリー総合支援センター)
   2016年6月から現職、ここリカ・プロダクション
   2018年から北星学園大学福祉臨床学科非常勤講師
現在の職業と活動:認定精神保健福祉士
 社団法人北海道精神保健福祉士協会副会長
 公益社団法人日本精神保健福祉士協会認定スーパーバイザー
座右の銘:挑戦

「支援しているようで、最終的には自分自身が問われる仕事」

Q. どんな心の在り方や認識の変化が今の活躍に繋がっていますか?

予定をしていた仕事に就くことが難しくなった為大学を出て、250床ある精神科の病院に就職しましたが、知らない世界だったので当初1年で辞めようと思っていました。入ってみて長期入院されている支援者数の多さに衝撃を受けましたが、精神保健福祉士と言う資格もない時代で、相手が何を求めているのかを我流で交流するしかなく深い話を聞く技術もなかったので、どこかで「向いてないんじゃないか、やりたい仕事じゃなかった」と他人のせいにして逃げたい気持ちがありました。自信がないとそれ以上やっていても、どの方向にいけばいいのかも見えませんでした。

8年目に、ちょっと遅いけれど信頼関係をつくることがやっと見えてきて面白くなってきました。また人を支援するのことがわかったと思ったらわかっていなかったり、わかっていないと思ってもなんとなくわかったと思う瞬間を繰り返すようになったのです。

支援者への接し方も変わっていきました。焦って答えをすぐに出したくなる自分にブレーキをかけ、色んな選択肢を持ち、今は待った方がいいなと判断することを置いておくことができるようになりました。この仕事は相手だけではなく自分もコントロールできないといけません。自分をコントロールできることで、それが支援する方々に伝わり安心ができて焦りにくくなり、足元がみえるようになります。そうすると支援者は今何をしなければいけないのかを自ら考えることができるようになり、将来のこと(希望)も自ずと考えられるようになる人たちが出てきています。そこにいけるまでに10年かかる人もいますが。

私自身今も完璧ではなく常に日本や世界で新しく生まれる概念を勉強しないといけないこともあり、終わりはないのです。
自分をコントロールしながら安心の場を提供していくことで支援する方が希望を持ち、その希望を具現化していくことは、永遠のテーマです
また現在月1回ソーシャルワーカーが旭川に集まり、スーパービジョンというソーシャルワーカーの実践を自己点検する仕組みにも、取り組んでいます。

「臨機応変な接し方が求められる、ヒューマンエラーとかも含め人間味だと思います

Qこれからは AIが活躍する時代と言われていますが、AIが活躍する時代に必要とされるニーズは何だと思いますか?

単純な世間話とか話し相手はAIでもできると思います。それによって一時の孤立を防ぐことはある程度AIに頼めるかなと思います。他にも、一律でできること例えばお金の管理とか実務をやってもらえるかなと思います。

人ができることは、臨機応変に接することです。人には、今までの辿ってきた人生があり、その上でこの先どうしたいのかがあります。そしてその狭間である今の状況があり、今しゃべってる時間の中でも支援者は刻々と変化していきます。その支援者の状況の変化についていって、支援する側は「今日はこのへんまでにしましょう」などの臨機応変な接し方が求められます。

もしかしたらデータ化はある程度できるかもしれないけれど、職人の域である支援者独特の間合いは人間にしかできないことです
人としての魅力も武器です。一律でいい部分とそうじゃない部分があって支援者を一緒に受け止めながら、支援する側の個性も使いながら模索していくことは、人によって違うからAIではできません。迷ったり、ヒューマンエラーとかも含め人間味だと思います

「チャレンジできる、今まで無理と言われてきたことができると実証していきたい」

Q どんな美しい時代をつくっていきたいですか?

どんな人も安心して暮らせる世の中、安心して病気にもなれるし、なったとしてもなんとか生活できるなと、見通しがたてられる社会が必要です。私たちもいつか認知症になるかもしれないけれど、生きてさえいればなんとか生活できると思える社会にしていきたいです。
簡単じゃないと思いますが、病気が人ごとではない社会になればいいと思います。病気にもなれるし、ならないに越したことはないけれど誰もがなるわけだから安心してなれる社会。

ハンディは個人によってつくられたわけではなくて、社会によって作られていて、スタートラインに立つこと自体が難しい。障害や病気があると、限界をまわりから決められることが多かったけれどチャレンジはできます。様々な人に助けてもらわないとできない仕事だからこそ、精神や福祉の業界も超えて、どんな人とコラボしていけばそれができるのかがこれから楽しみです。今まで無理と言われていたことができると実証できればいいと思っています

私が大切にしている考え方にリカバリーという考え方があります。リカバリーとは、”何があったとしても新しく生きていける、新しい生き方を受け入れて新しい自分を作り出していける、そして新しい生き方を見つけ出し作り出していける力が人間にある”という考え方です。リカバリーとセットで言われているのがリジリエンスです。
リジリエンスとは失敗しても折れない心です。個人がもっているものでもあるし、地域や家族がもっているものでもあり、一人では無理でも社会自体が折れない心を持っていれば個人の心が折れないというものです、まだ勉強中です。

同心円。中心に個人があって地域があり広がりがでてきます。社会自体が変わらないと、病気をしたら終わりという考えがあったらダメだと思います。簡単ではないけれど、安心して病気にもなれるし、障害になってもやっていける社会、この社会は生きてさえいればなんとかなると思える社会にしていきたいですし、大きな海に1滴を垂らすようなものだけれど諦めてはいけないと思います

「心は目には見えないけどみんな持っています」

Q 最後に、皆さんに伝えたいことは?

メンタルヘルスの領域は、人ごとではないので関心をもってください。心は目には見えないけれどみんな持っています。
40年ぶりに中高の保健体育で精神疾患を取り扱います。小さい頃からそういうことがあると知っていれば、誰しもなりうるし、なったとしても対策ができて早く治療できます。必要以上に怖がらなくていいことなのです。
精神疾患になった人に対して、周りの人はどう接すればいいのか?精神疾患になっても終わりではない、そこから生きていけばいいので正しい理解が必要です。だからこそ知ってもらうことは第一歩かなと思います

記者:落ち着いた印象で語られている橋本さんの中に、自分の弱さも真っ直ぐ見つめながら、自らの心の在り方を通して安心の場を提供し、それだけに留まらず常に新しいことを取り入れてやってみようとされる姿勢に、”人の可能性”に対するとても熱い思いを感じさせて頂きました。本日はありがとうございました!

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橋本達志さんの活動、連絡についてはこちらまで⬇︎
SNS:https://www.facebook.com/tatsushi.hashimoto1
  「つながるここプロラジオ」も放送中 

(編集後記)
インタビュー記事を担当した、赤尾・原田です。
人が生きていく上で避けては通れない生老病死。死や病気は、無意識的にさけたいもの、怖いもののイメージがありますが、橋本さんのお話を伺っていると、病気も死も避けるものではなくて、受け入れて、共存していくものだと気づかせて頂きました。ふつふつとした熱さが滲み出たお人柄でした。橋本さん、ありがとうございました。

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